詩妥協 だれかが言った。 誰も彼もが言った。 「妥協しなさい」と。 初めて、そんなやり方があると気付いた。 初めて、 わたしは妥協した。 わたしは何でも知っていなくていい わたしは全員を楽しませなくていい わたしはうまく生きなくていい わたしは小さ... 2020.08.11 0詩
詩焦がれていた 焦がれて見たものは すべて実在しなかった 焦がれて来た道は 突然消え去った 焦がれて無理を強いたことは 何にもならなかった 焦がれてきた人を 二度と見ることもない 焦がれて得た幸福感だけは 漂い残ったまま消えない 焦がれてきて よかったと思... 2020.08.08 0詩
詩オプティミスト〜optimist〜 自尊心の基礎がない方へ 彼女の言葉を遮った けど 彼女は笑ってた okay だって フォローの言葉も用意してるし 今日のタスクがたくさんある けど たとえ今日中に全部こなさくとも okay だって 人生は永遠だもの 寝つきがぐんと悪くなった けど 一日24時間とい... 2020.08.07 0詩
詩山が訓える 毎日座っていた場所から見える 連なり 夕刻 初めて気付く その山を見た その輪郭は女の髪 桃色の背景を背負い走る 女の波打つ長い髪 動かぬ曲線に 時の流れ わたしの日々もまた、流れる 昨日座っていた場所から見えた 連なり 雨降る中 気付いた... 2020.08.03 0詩
詩憂き節 僕といるという虚しさ 君といるという虚しさ 君は遠くをみて きっとまた考えている 僕には言わないことを 僕がそれを考えてあげられたらいいのに 僕にそれを投げてくれたらいいのに 投げない君をみて ずっとまた考えている 君には言わないことを そ... 2020.07.28 0詩
詩詰まらぬ念持 人生賭ける何かを常に探す。 そんな生き方の苦しさ。 今は何のために在る。 人生を賭けるものは見つからず、人生を賭けることも出来ない日々も長く。 今はただ流れていく。 いつ生きているのか。 いつを生きる為なのか。 今ではないと否定し、先にも肯... 2020.07.26 0詩
詩君に逢えたら 君に会えたらなんて言おうか 昨日の月は綺麗だったよとか 明日は梅が咲きそうだねとかで 今日の話はできなそう 君に会えたら何度ためらうか 世界は色々と大変そうだとか 自分の家族は呑気で困るとかで 君とのことは切り出せなそう 君が笑ったらどんな... 2020.07.25 0詩
詩ここにないものは美しい ここにないものは美しい 今、見えないものは美しい 今、聞こえない音は美しい 今、言えない言葉は美しい もう、会えない君は愛しい 僕は、持っているものを見たくない 2020.07.23 0詩
詩人間らしさでなく自分らしさ 人間らしさというものがあって、それをなぞるように生きる なにか違和感がある 幸せを目指してしまう自分がいやだ。 幸せじゃなくたっていいのに。 否、いつもその場で目指してしまうものは、幸せじゃなくて、記憶から構成された幸せってこんな形、という... 2020.07.21 0詩
詩宝箱 その宝箱は 街から少し離れた森の中にあって わたしたちからは イナフと呼ばれていた 中には 開けた者を満足させるものが入っているのだと聞いていた わたしはいつも寂しくて仕方なかったから イナフを追って森に入った 初めの7日間 イナフと大喧嘩... 2020.07.20 0詩